最近、テレビなどでも特集されるようになった非破壊検査とは、ものを破壊することなく劣化具合や欠陥の状態を調べ出す検査技術のことです。従来の検査技術では、劣化や欠陥の状況を詳しく調べ出すために、対象になるものを壊さなければなりませんでした。破壊することで周囲に危険が及ぶケースもありますし、再現や復元が難しい歴史的価値があるものも多く、検査の必要性はあるものの手が出せないことも珍しくありませんでした。その点、非破壊検査を行えば、破壊によるリスクを伴うことなく詳細情報を集めることができます。
大きな橋や鉄道、地中に埋まっているもの、原子力発電所、高層ビルなど、社会資本に該当するすべてのものがこの検査方法で調べることができます。非破壊検査を行うにあたり、放射線や超音波、レーダーなど特殊は波長を出す様々な最新技術と専門装置をフル活用し、専門知識を十分に備えた専門スタッフが活躍します。お医者さんが患者さんの身体を調べる時も、できるだけ身体を傷つけない方法で状況を探るのと同様に、非破壊検査最大の魅力は破壊によるリスクを回避することができることです。昭和30年頃に専門の会社が設立され、現在では全国規模でこの技術が広まり、多くの一流企業で採用されています。
卵の中身を傷つけずに中身を調べる実験や昔から大事にされた手鞠の中を調査する実験などはテレビでも取り上げられ放送されたので、ご存じの方も多いかも知れません。