メーカーであれば研究開発というものはどこでも行っているものですが、外に出てくるのは完成品だけなのでその実態はあまり知られていません。研究内容も業種によって様々ですが、内部ではそこでしか行われていない事がされています。その中で使われるものの一つが検査治具で、これもまた外には出てきません。検査治具と言われても聞き覚えがないかもしれません。

これはメジャーや秤と同じものなのですが、その部署でしか使われていないオリジナルのものを言います。つまりそこで作られて、そこ専用の計量ツールを検査治具と言います。例えば一つの商品に10個のパーツが付いていて、形状は同じですがそれぞれ重さが異なるので間違えて付けてはいけないものがあったとします。それのチェックをするには一つ一つ測っていかなければなりませんが、それは手間です。

そこで、専用の検査治具を作ってしまいます。10個のパーツを全部同時に計量出来るもので、これを使う事により一度で全てのチェックが完了するのです。結果表示は数値を出す物でもいいですが、合っていればランプが光るといったものにすれば検査速度はさらに上がるでしょう。当然の事ながらこの検査治具は他へ持っていっても何の役にも立ちません。

変な形をしていますし、特定の重さで光るだけなら通常の計測にも使えないからです。消費者向けに売られる事もなく、他では役に立たないものですが、しかしその研究所では重宝されているという存在になります。

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